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Vol.24

事業をわかりやすく表現し、「企業と求職者・地域社会をつなぐ」サイトを実現

黒崎播磨株式会社様

わかりにくいビジネスを、いかにわかりやすく表現できるか。四つの柱をもとに、コンセプトを立案

黒崎播磨株式会社様

―まずはWebサイトをリニューアルしようと思ったきっかけからお聞かせください。

「鉄をつくる素材をつくっている」……黒崎播磨の仕事をざっくりと言うと、こうなります。しかしこれだけでは具体的に何をやっているのか、正直わかりにくいですよね。

これでは近隣住民や社員のご家族といったステークホルダーにも「黒崎播磨という企業が何をしているのか」が伝わりません。弊社がどんな会社であり、どのような事業を行っているのか、広く認知していく必要があるのではないかと考えたのです。

当時のWebサイトは、前回の更新から時間が経ち、デザインにしろ情報にしろすべてが古いことが懸念点でした。これでは伝えたいことが伝わっていないのではないかと。

また、スマートフォンに対応していないことも課題でした。とくに学生といった若い方は、スマホから様々な情報を得ます。弊社では近年、とくに採用に力をいれており、そういった点への訴求も、当時のWebサイトでは難しいと考えていました。

こういったことがきっかけで、Webサイトをリニューアルすることとなりました。

―具体的に、企画書などは立てられましたか?

もちろんです。その際には、「とにかくわかりやすく」を心がけました。
工業などにはほとんど縁がないであろう「女子高生でもわかる」ほどわかりやすいUIを持つ、ユーザーフレンドリーなサイト、――というのをコンセプトに、先ほどお話しした内容を大きく四つに分け、Webサイトの柱となる部分を考えていきました。

―その部分を詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか?

ひとつ目は、「ターゲットステークホルダーを明確にする」。
弊社のビジネスは、BtoBの最たるものと言えます。比較的安定した業界ですし、既に業界内では当社の知名度は高く、新規顧客に対してWebサイトなどで事業内容を詳しく説明する必要性も低い状況です。

だからこそ、「地域社会」「採用対象者」のふたつに、いかに理解を得てもらえるか。ここに主眼において考えました。

二つ目は、「わかりにくいビジネスを、いかにわかりやすく表現できるか」。これが先ほど申し上げた「女子高生にもわかるサイト」ですね。工業系でもない、鉄鋼業界に詳しい訳でもない人でも理解できる内容を目指しました。

ビジネス・プロフィールや決算状況、採用情報まで、とにかくわかりやすくすることを目的としました。

三つ目が、「様々なデバイスに対応する」。スマホの浸透率は高く、若い方でスマホを使用していないほうが稀です。となると、就職活動を行う上でも、スマホは欠かせないですね。
スマホやタブレットなど閲覧するデバイスを選ばず、サイトを閲覧する方にストレスを与えることのない、ユーザーフレンドリーなサイトをめざしました。

四つ目は、「セキュリティの高さ」です。当時のサーバが古く、この懸念点も払拭したいと考えていました。

と、このようにコンセプトはまとまりましたが、じゃあ、このコンセプトをどのように「再現」するのか? 私たちはWebサイト制作のエキスパートではありませんし、社内にもWebサイト制作ができる者などいません。
そこで、制作会社を探すことにしました。

アイデアを実現する、“機動力の高い”Web制作会社を探していた

黒崎播磨株式会社様

―既存のWebサイトを制作された企業に依頼しようとは思われなかったのでしょうか?

もちろん比較する余地はあると考えていました。ただこの時、私たちが第一に考えていたのは、「Webサイト制作専業」の企業であることでした。

―なぜ、専業だったのでしょうか?

コストと、機動性を考えたからです。
大企業であれば、その規模に見合った成果物を期待することができます。ただ、もしかしたら機動力に欠けるのではないか、とも考えたのです。

Webサイトリニューアルの担当は二人です。企画からコンセプト設定、やりとりのすべてを二人で行います。
そんな中で、いかに私たちの考えを吸い上げてくれるのか、その際どの程度スピード感を持って動いてくれるのか。いかに、こちらからの指示だけではなく、制作会社としてのアイデアがあるか。そしてその再現性や具現化能力が高いか、という点を重視していました。

―その中で、弊社も候補に上がったと。

そうです。先ほどの機動性を考えますと、やはり福岡県内という点も外せません。10社ほどピックアップした中で、これまでの実績やサイト自体のデザイン性を比較していきました。
コスト、機動性、デザイン性、そしてレスポンスの速さなども考慮し、最終的に御社にお願いすることになりました。

―なるほど。ちなみに、デザイン面でとくに印象に残ったものなどありますか?

そうですね……御社のコーポレートサイトのTOPページの動きには驚かされました。スクロールしていくと、ファーストビューが左右に開かれていく。あの動きには担当者二人で、これはすごいと盛り上がったのを覚えていますよ。こんなにわくわくするものを作れるのか、と。

Webサイトづくりが楽しいと思えたのは、「アイデアを吸い上げ、コンテンツに再現する力」を感じたから

黒崎播磨株式会社様

―では、実際に弊社とのやり取りを行う中で感じたことをお聞きしたいと思います。

そうですね……実を言うと、「楽しかった」に尽きるかもしれません。もちろん、自分たちの作業もとても多いので、大変な部分も多かったのですが、それ以上に御社の「具現化する力」というものを感じました。

―嬉しいお言葉です。ぜひ楽しかったと思われた理由などを具体的にお聞かせください。

たとえば、紙媒体でもそうですが、ラフを描いて伝えるということがありますね。そのラフというのも、御社のようなプロから見ればきっと落書きくらいのクオリティなのかもしれません。しかしそれが、次にお会いした時にはきちんと形になっている。

ラフだけではなく、口頭でお話した内容もそうでした。「ここはこういう感じがいいな」というぼんやりとした思いつきでも、「なるほど、では……」と、打てば響くように返答がいただける。これはすごい、と毎回感じていました。

アイデアレベルの構想を吸い上げ、具体化する力。グレート・ビーンズさんとのやり取りでは、それを非常に感じました。そしてこれこそが、私たちが制作会社を探す際に重要視した「専業であること」そのものなんです。

紙であれWebであれ、媒体を問わずコンテンツを「形」にする力。再現性が高く、こちらが期待したものを超えたものを毎回提示していただきました。100周年特設コンテンツ採用ページは、その最たるものだと思っています。

黒崎播磨株式会社様

弊社のコーポレートカラーは赤と黒なんですが、これをうまく取り入れ、なおかつ動きにも独自性を持たせているのが100周年特設コンテンツですね。

2019年6月1日までのカウントダウンや、一秒ごとに時計の針のように動いている歯車。弊社の「工業系」というイメージにあたらしい動きが融合し、時間の経過を感じさせてくれる。非常に目を引くページになっていると感じます。

採用ページを最初に見た時には、違う驚きがありました。コーポレートカラーとはまったく違うグリーン系の色であることが、こんなにも鮮やかなコントラストを生むのだと。

採用ページを見るのは、企業の方ではありません。あくまで、「生徒さんとその保護者の方(または学校の先生)」です。赤と黒のコーポレートカラーでは表現できない「安心感」を得られる色味であることは間違いないですね。

また色使いに限らず、フォントからも柔らかさを感じられるなど、様々な手法を取り入れている点がとくに印象的です。

色味・デザイン構成をベースとは違うアプローチにすることで、事業ページや会社概要といったページとの対比が生まれる。もしコーポレートカラーと同じ基調でつくったとしても、採用コンテンツとしてまったく生きてこないでしょう。
採用ページだからこその「柔らかさ」でアクセントをつけた、素晴らしいページだと感じます。

こういう緩急のつけ方、情報設計の仕方などを見るたびに、御社からの提案にはすべて、意味があるのだと感じていました。

直感的な要望にも必ず「やってみましょう」の返事があり、必ず期待を超えたクリエイティブがある

黒崎播磨株式会社様

―では、制作する中で課題だと感じたことはありましたか? もちろん弊社へのご意見も含めて、お聞かせ願いたいです。

制作中に頭を悩ませたのは、弊社側が用意できる素材が少ないということでしたね。なにしろ以前のWebサイトが古く、現在の制作には適用できない。写真素材を用意することに一番苦労したように思います。

弊社の企業形態として、社外秘にしなければならないという部分も多く、そのため各工場に確認し、どの場所なら撮影OKなのか、いつ撮影が可能なのかというやり取りが発生しました。

BtoBという業態であるため、広報的な動きの必要性があまりないというのももちろんあります。ですが、ブランディングというのは今後、採用活動にも、ステークホルダーとの関係づくりにも重要です。
インナー・アウター双方からのブランディングは、今後も時間をかけて意識改革をしていかなければならない点だと、サイト制作をきっかけに感じましたね。

―弊社への要望は、あまりないのでしょうか……?

考えてみたんですが、ないんですね(苦笑)。先ほどのように素材がなかなか揃わずに工程がズレてしまったことに対しても柔軟に調整いただき、感謝しています。

御社は非常にクリエイティブな印象ですね。制作会社さんを探している時は「既存サイトをベースに提案されるということもあるのでは」なんてことも考えていたのですが、御社ではまったくそれがない。二番煎じな部分はひとつもなく、つねに新しいアイデアを出してくださいます。

とくに私たちのような素人は「こういうのってできます?」と思いつきで言いがちです。できるかできないかわからない、だからこそ直感的な要望を出してしまう。
それは大抵却下されてしまうのですが、御社からは必ず「では、まずはやってみましょう」と言ってもらえる。これは私たちだけではなく、誰にとっても非常に心強い言葉です。

あくまでクリエイティブでありながら、閲覧者によりわかりやすく情報を届ける。そういった信念のようなものを感じましたし、だからこそ意見交換をすること自体も楽しいと感じたのではないかと思います。

自分にはどんなキャリアプランがあるのか――企業・業界の見え方をもっとわかりやすく伝えたい

黒崎播磨株式会社様

―ありがとうございます。では、リニューアル後の反響はいかがでしょうか。

まず誰よりも社長がよく読み込んでいるのではないでしょうか。わかりやすくなったという言葉もいただいています。社員からの反響も大きく、当初の目的も十分果たせていると感じます。

他にも、採用にエントリーしてくれた学生との面談にも活用しています。非常にわかりやすくまとまっているので、私たちとしても説明がしやすいんです。「サイトを見ました!」という声を聞いた時はとても嬉しかったですね。

―今後も引き続き、採用活動にも力を入れていくご予定ですよね。

そうですね。実は、もっとアプローチを増やして行きたいとも考えています。たとえばインタビュー記事ならば、カテゴリに「海外赴任」などを増やして、読み手が受ける解像度をもっと上げる、というような方法です。

現状、多くの企業のサイトがそうであるように、誰がどの事業部、どの担当にいて、そこでのインタビューを行うということはあっても、どのようなキャリアを積んでそのポジションにいるというのは、外部の方からはわかりづらいのではないかと思うんです。

学生が求めるのは、「その人がどういったキャリアプランで、その場所にいるのか」ではないか。または、「自分がそのポジションにいくためには、どのようなキャリアパスが必要なのか」といった点ではないか。
そのために、自分の思い描くキャリアプランからインタビューを選んでいけるようなものがあれば、もっと学生にも訴求しやすいのではないかと考えたんです。

キャリアパスとしては、女性へのアプローチも欠かせません。理系出身の女性社員や年代別のクロストークなども面白そうなコンテンツだと考えています。

他にもたくさんの案はありますが、いずれもその当事者ならではの声があれば、閲覧者が興味を持ってくれると思うんです。

まだ実際に勤務していない内定者であろうと、キャリアを積んだベテランであろうと、「その人」だけが選んだ道があります。その道筋をアピールすることで、もっと閲覧者に寄り添っていく、そういうWebサイトにしていきたいですね。

―ありがとうございました!

WebサイトURL:https://www.krosaki.co.jp/

成功事例とその理由

成功事例

閲覧者への配慮の行き届いたデザイン・情報設計で、業務内容への理解が深まっている
リクルーター活動時にWebサイトを使用することが増え、学生からの反応も高い
・経営陣や社員からの評価も高く、関係性の構築にも貢献している

成功理由

・事業内容をはじめ、内容を見直し、誰にでもわかりやすく伝わる表現を追求した
社員への取材を多く実施し、「現場の声」が伝わるコンテンツを作成
・コーポレートカラーをベースにし、安定感と斬新なイメージが共存するデザインを実現
・スマホ・タブレットなど、全デバイスに対応したレスポンシブデザインを実装